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戦略‐実行モデルの誤謬
戦略と実行とは別だという考えは、過去10年余り、経営的思考に深く根づいてきた。実のところ、グーグルで「実行に失敗した偉大な戦略よりも、うまく実行された凡庸な戦略のほうがよい」と検索すると、4万2600件を超えるヒットがある。
この考えがどこから来たのかは定かでないが、ドットコム・バブル崩壊後の2002年、JPモルガン・チェースの現CEO、ジェイミー・ダイモンは次のような意見を述べている。「素晴らしいアイデアと凡庸な経営よりも、一流の実行と二流の戦略を持つほうが常に役立つ」
また、アライドシグナルの元CEO、ラリー・ボシディは、同年にベストセラーになった共著『経営は「実行」[注1]』のなかで、「戦略が失敗するほとんどの原因は、それがうまく実行されないためだ」と言い切っている。