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『モンスターズ・インク』『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』……ピクサーはコンピュータ・アニメーションの世界を切り開き、以降、着実にヒットを積み重ねてきた。そして2006年、提携関係にあったウォルト・ディズニー・カンパニーに買収される。当時のディズニーは長年にわたりスランプ状態にあり、エド・キャットムルとジョン・ラセター、2人のピクサー創設者たちに再建が託された。そして、創造する力を取り戻したディズニーが、『アナと雪の女王』で世界的ヒットを飛ばしたことは、記憶に新しい。実のところ、どうやって創造する組織をつくり上げていったのか。マネジメントとしてなすべきことは何か。新刊Creativity, Inc.(邦題『ピクサー流 創造するちから──小さな可能性から大きな価値を生み出す方法』ダイヤモンド社)を著したエド・キャットムルに聞いた。
人は放っておけば、効率性に傾く
編集部(以下色文字):あなたはピクサーを立ち上げ、軌道に乗せただけでなく、踊り場にあったディズニー・アニメーションを復活させました。それはどのような経緯だったのでしょうか。
キャットムル(以下略):振り返ってみると、自分の人生にはいくつか重要な時期がありました。ピクサー創設後20年は、最初の大型作品をつくろうと懸命でした。次の10年は、どうやってこの創造的環境を持続できるのかを考えていました。そうこうするうちにウォルト・ディズニー・カンパニーに買収され、ピクサーを健全に保ちながら、ディズニーを立て直すという、両方の挑戦を強いられたのです。