4つの恐れが創造性を阻む

 ほとんどの人間は生まれながらにして創造的である。子どもの頃は空想的な遊びを大いに楽しみ、突飛な質問をしたり、よくわからないものを描いてそれを恐竜だと言ったりする。しかし成長するにつれて、社会化や学校教育により、多くの人間のこうした衝動は抑圧されていく。もっと用心深く判断し、より慎重に、より分析的になることを学習するのだ。世界は「創造的な者」と「創造的ではない者」に分けられているように見え、圧倒的多数の人が意識的あるいは無意識的に自分は後者だと諦めてしまう。

 しかしながら、学問分野や業界を問わず、創造性が成功のカギであることは明らかだ。世界中の最高経営責任者を対象としてIBMが行った最近の調査では、創造性は今日のリーダーに最も求められる特質である。フェイスブックやグーグルのような新興企業からプロクター・アンド・ギャンブルやゼネラル・エレクトリックのような大手企業に至るまで、創造的思考が無数の企業の成功とその維持を可能にしてきたことはだれも否定できない。

 スタンフォード大学の「dスクール」(前身はハッソ・プラットナー・インスティテュート・オブ・デザインとして知られ、その創設者は本稿の共同執筆者であるIDEOのデイビッド・ケリーである)には、みずからの創造性を高めようとやってくる学生が多い。クライアントがデザインやイノベーションのコンサルティング会社、IDEOと一緒に仕事をするのも同じ理由からだ。