CSVを提唱したマイケル・ポーターが2011年に発表した論文「共通価値の戦略」には、実はいくつかの矛盾が存在する。しかし、たとえ論文自体に曖昧さが残ったとしても社会的価値と経済的価値の両方を追求するほうが、企業の統合的価値も大きくなると岡田正大氏は指摘する。従来の株主価値の向上を目的とする企業の前提を見直すべきか。企業観自体を問い直すべきか。過去の文献などをひも解きながら、CSVが企業戦略論に与える影響とその可能性について論じていく。