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なぜ時間を正しく管理しないのか
自社の資本を管理するために、たいていの企業は入念な手続きを設定している。新たな投資をするためには、説得力のあるビジネス・ケース(投資価値を説明するための材料)が必要だ。投資するかどうかを判断する「ハードル・レート」を設定し、職位ごとの支出上限を定めて、細心の注意を払って権限を委任している。
しかし、これとは対照的に、組織の「時間」はほとんど管理されていない。電話、eメール、インスタント・メッセージ、打ち合わせ、電話会議で幹部の一日のうち数時間が潰れているにもかかわらず、企業はこれらを制御するためのルールをほとんど設定していない。実際のところ、大半の企業は、経営陣や従業員が自分の持ち時間をどのように使っているか明確に把握していないのだ。そして案の定、延々と返信し合うeメール、不要な電話会議、それ以外の無数の非生産的な会議のために、時間は浪費されがちである。
その代償はきわめて大きい。社内での会議に時間をかければ、それだけ顧客のために費やす時間が減少する。組織は肥大化し、官僚的になり、鈍重になり、業績が落ちる。従業員が家族や友人と過ごす時間はますます減り、しかも、それと引き替えに得る成果はわずかである。