多くのマイクロマネジャーは、自分がそうであることに気づいていないという。その兆候と、過剰管理からの脱却法を示す。
上司に細かく管理・干渉されたいなどと思う人は、誰もいない。それをされればストレスがつのり、士気も意欲も下がってしまう。だがマネジャーの中には、どうしても過剰管理をやめられない人もいるようだ。自分を信頼してくれない支配型の上司に対応するのはつらいことだが、もしあなた自身がマイクロマネジャーであるとしたらどうだろう。
あなたが大方のマイクロマネジャーの例に漏れなければ、おそらく自分がそうであることを自覚すらしていない。だが以下の記述に該当する場合、明らかにその兆候がある。
1.部下の成果物に、深く満足できたことがない。
2.自分ならその仕事を違うやり方で進めるのに、というもどかしさを頻繁に覚える。
3.細部にこだわり、修正を加えることに大きな誇りを持って尽力する。
4.すべての部下について、どこにいるのか、何に取り組んでいるのかを常に把握していたい。
5.頻繁に進捗報告を求める。
6.メールのCCに自分が含まれることを好む。
現実を直視しよう。細部に注意を払うこと、そして仕事の進捗を確認することはたしかに重要だ。そのため、上記すべてをマネジメントに必須の要件と見なしてしまいやすい。だが、これらはどんな時でも必要というわけではないのだ。
マイクロマネジャーの問題は、それが適切ではない時でもすべての仕事に対して同じレベルの厳格さ、精査、強引さを適用していることだ。まずもって、それをやめる必要がある。その管理手法はチームの士気を下げ、最終的には生産性にマイナスとなる。
私のコーチングを受けた上級幹部の1人、スティーブ(仮名)を例に取ろう。彼は上司と部下から以下のようなフィードバックを受けた。そして自分には過剰管理の傾向があり、それが予想外の大きな影響を及ぼしていることを知った。
「人に任せることができず、いつも細かいことを尋ねている。そうした些事は彼が時間をかけるに値しないこと、そして部下を信頼して仕事を任せるべきであることを、彼は理解する必要がある。さもなければ、部下も彼自身も燃え尽きるだろう」
「彼がやっている仕事のいくつかは、その高い能力に見合っていない。細かい仕事に追われ大変そうだが、より高いレベルの戦略に関することに時間を費やしたほうがよい。多くの細かいことにみずから手を下すよりも、組織の視点から自身の優先事項をわきまえるべきだ」
「過度の干渉が、チームのボトルネックになっている」
過剰管理は短期的には成果が上がるかもしれないが、長期的にはチームと組織、そして自分自身に悪影響を及ぼすことになる。自分の生産性が下がり、重要な仕事に割くキャパシティがなくなる。そしてチームメンバーの成長を妨げ、やる気を削いでしまう。自分の存在と強い関与がなければチームが機能しないなら、それは組織の脆弱性につながるのだ。
では、過剰管理をやめるには何をすればいいのだろう。以下に4つの方法を紹介しよう。