-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
1980年に西友のPB(プライベートブランド)として40品目で「無印良品」は誕生した。現在、家庭用品、食品、衣料品、家具、家電、ヘルスケアから、住宅(無印良品の家)まで約7000品目をラインアップし、国内401店舗、海外25の国・地域で301店舗を展開するまで着実な成長を続けている。消費者の声を取り入れた商品開発など、先進的な取り組みを行っている印象が強い同社であるが、イノベーションを起こすという意識は持っていないという。無印良品のイノベーションの源泉は何であるのか、良品計画の金井政明代表取締役社長に話を聞いた。
時代へのアンチテーゼから生まれたブランド
編集部(以下色文字):無印良品とはどのような時代背景から生まれたのでしょうか。
金井(以下略):当社が誕生した1980年頃、日本経済は転換期にありました。それまでは企業は生産しても生産しても足りないぐらい、とにかくモノをつくれば売れた。大量生産し、大量消費して、大量廃棄する社会でした。消費こそが豊かさの象徴であると思われていた時代だったのです。しかし80年代になると、およそモノが行き渡ってしまった時代になりました。さらに第2次オイルショックが起き、モノが売れない時代に突入したのです。無印良品が誕生したのはその頃でした。