1.Tell user story - 生活者にとって価値あるストーリーを提案する

 ブランドへの感動は、どうすれば伝わるのだろうか。CMの大量投下による名称や機能の連呼、ギミックを用いた広告に一定の効果があるのは事実であるが、それでは生活者とブランドの長期的な絆は築けない。

 グーグルがマーケティングコミュニケーションで目指すのは、プロダクトの機能的価値を単に伝えることではなく、一人一人がプロダクトの利用により、どのように毎日の生活が変化し、それぞれの生活が向上するか、生活者を主人公にしてストーリーで伝えることである。

 ストーリー作成に欠かせないのが、「生活者一人一人の視点で考える (Focus on one real User)」と、「生活者に笑顔をもたらす(Delight a User)」の2つを指針である。まず、生活者一人一人に焦点をあて、そのインサイトを徹底的に理解し、そのインサイトのもと、彼らにとって意味のあるプロダクトの価値は何かを考える。

 これらを踏まえて、プロダクトが毎日の生活に何をもたらしうるか、ひいては(少し大きくとらえれば)人生にどのような彩りを与えるかがわかる・実感できるストーリーを考える。具体的なシーンが思い浮かぶぐらい、イメージの湧くマーケティングコミュニケーションが極めて重要だ。

 ストーリーの具体としてあげられるのが、Googleアプリの音声検索 の映像である。

 スマートフォンが生活の中心になると、毎日の生活の何気ない疑問や好奇心を、その場で解決できるようになるし、解決したくなる。Google 検索に、ハンズフリーで「話しかける」ように訊くだけで、答えを教えてくれる。その答えがさらなる好奇心を呼び、新しい発見が生まれ、自分自身がもっとアクティブになっていく、そう感じられるストーリーだ。単に調べ物をする手段ではなく、それが毎日をどう変えていくか、自分がどう変わるかを、自分のこととして感じられるかどうかが、ストーリー作りのポイントだ。