3.Show why - ストーリーがなぜそのブランドから発信されるのか提示する

“Tell user story”や“Invite users”による生活者との絆づくりにさらに欠かせないのは、 “Show why”-ブランドがどのような信念に基づき、何を目指してプロダクトを提供しているか示すことである。これを理解・共感してもらえなければ、マーケティングコミュニケーションとして提供するストーリーへの信頼は生まれず、最終的にブランドと生活者の絆にもつながらない。

 グーグルのミッションは、“世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする” であり、私たちのすべての活動は、“テクノロジーで世界の大きな問題を解決することで、人々の生活をより良くできる”という信念に支えられている。

 例えば、2014年末に、”Year in Search:検索で振り返る 2014”、2015年初めに、”Google さがそう:踏み出そう 2015”という2つのメッセージを発信した。どちらも、人々が興味をもったことを探求し、挑戦していくことを、グーグルのプロダクト、テクノロジーで支えていきたいという想いを伝えるものだ。

 また、テクノロジーで世界の大きな問題を解決できるよう、震災直後から続いている東北への支援活動の一環で行っている”イノベーション東北”や、テクノロジーで、女性の社会参画を促進する”Women Will プロジェクト”もブランドの信念に動かされている。

変わり続ける時代だからこそ、一貫したマーケティングメッセージを

 発展を続けるデジタルテクノロジーにより、生活者は企業・ブランドのあらゆる活動の情報にアクセスし、自ら企業やブランドを評価する発信者となった。このような時代に、顧客に信頼され、愛されるブランドとなるためにはマーケティングコミュニケーションの開発に、偽りのない、そして、揺るぎない指針が必須であり、マーケターはその規定と継続的な実践に責任を持たなくてはいけない。

 プロダクトが一人一人の生活にもたらす価値を生活者中心に描くストーリー、ストーリーに共感とインスピレーションを受け、自らの体験を共有する仕組み、そして、ブランドの真実・信念を伝えることで、生活者とブランドの絆は、初めて強固なものとなる。

(つづく)

*次回は8月7日(金)公開予定。

 

【連載バックナンバー】
第1回:デジタルテクノロジーによってマーケティングはどう変わるか
第2回:記録と記憶は異なる――大きく変化する生活者の日常を捉える
第3回:これからの生活者分析――人々の行動を基点に生活者を理解する
第4回:生活者はどうやって検索しているのか?商品を選ぶ「兆し」をつかむ
第5回:コンサンプションからエンゲージメントへ――新しい情報・コンテンツ発信のカタチ
第6回:ターゲティングはマーケティングの活動の羅針盤――グーグルで現在進行中の実験
第7回:ブランドが発信すべきは、コンテンツ。グーグルが活用する「3Hストラテジー」とは?
第8回:マーケターにとって見逃せない瞬間「Micro-Moments」とその活かし方
第9回:デジタル時代のブランド広告効果測定(1) いかに正確さを追求するか
第10回:デジタル時代のブランド広告効果測定(2) きめ細かく、リアルタイムに
第11回:なぜ、デジタルテクノロジーをマーケティングに活かしきれないのか?
第12回:デジタルでマーケティングを進化させる――グーグルの取り組み