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歴史的変曲点をもたらす
3つの変化
2015年5月28日、深層学習(ディープラーニング)を搭載した、世界で初めて大規模で展開するサービスGoogleフォトがリリースされた。このアプリは、スマートフォンなどに保存された写真データを、自動で分類し、合成写真まで作成する。これはユーザーのデバイス上の画像データをクラウドで管理する仕組みだが、世界の億単位の人が数千枚、数万枚の写真、つまり兆単位の写真を一気に上げ始めた。
その写真の仕分け、連続写真の合成のスピードは驚くほど的確かつ速い。1000人で取りかかっても7、8年はかかると思われる処理を、このサービスは1日でやってのける。人間の200万倍以上のスピードだ[注1]。このサービスに使われている深層学習は、現在最も注目されているAI(人工知能)の要素技術の一つであり、その可能性はたしかに計り知れない。しかし、深層学習だけを取り出していま起きつつある変化の本質を理解することはできない。
これから起きる変化の本質は、深層学習、分析手法など情報科学的な技法の革新だけでなく、学習データの質と量、これを実装するコンピュータの情報処理力の3つの変化がセットで起きることにある。