考える機械といかに働くのか

 2013年に開催されたロボットカンファレンスの会場で、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究員ケイト・ダーリングが、「本物そっくりのおもちゃの恐竜ロボットと遊びませんか」と呼びかけた。このロボットの名は「プレオ」といい、大きさはチワワくらいだった。

 呼びかけに応じた人々は、手渡されたロボットにそれぞれ名前をつけ、接するように指示された。彼らはすぐに、プレオに意思を伝える能力があるのがわかった。表情やしぐさを通して、なでられるのは好きだが、尻尾をつかまれて持ち上げられるのが嫌であることを示したからだ。

 1時間後、ダーリングは休憩時間を設けた。そして、休憩明けに参加者が戻ってくると、彼女はナイフや手斧を配り、自分が遊んでいたプレオを痛めつけ、バラバラに切断するように指示した。