アルゴリズムを効果的に活かす

 新しいビジネスモデルをいつ開発すべきか、いまは新規市場に参入すべき時か──その答えをアルゴリズムが教えてくれたら、素晴らしいではないか。

 そんなアルゴリズムがあると言えば、嘘になる。そんなものは存在しないし、近い将来にアルゴリズム(もしくは、他の人工知能の一種)がこのような戦略上の難問に答えを出せる時代が来るとも思えない。しかし、それに引けを取らないほど興味深い手法が出現しつつある。それは、組織がアルゴリズムの原理を応用し、現状に即してビジネスモデルや経営資源の配分プロセス、組織構造に、たえず調整を加える方法である。しかも、トップが指示を出さなくてもよいのだ。

 これは物議を醸す見解だが、グーグルやネットフリックス、アマゾン・ドットコム、アリババをはじめとするインターネット企業で、我々が実際に目にしてきた進化をもとに導き出したものである。