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イシューセリングを成功させる方法
あるエネルギー会社でエンジニアリングマネジャーを務めるジョン・ヒーリー(仮名)は、より安全で低コストのガス浄化システムの導入を上司に進言したいと考えていた。何も難しい話ではないはずだったが、間の悪いことに、上司のゼネラルマネジャー(GM)は1年前に現行システムの導入を決めたばかりであり、ヒーリーいわく「細心の注意を要する仕事」になった。
幸いにもここ数カ月で新システムのユーザーレビューが入手できるようになり、ヒーリーはそれらをGMや経営幹部へのプレゼンテーションに巧みに盛り込んだ。また同等プラントへの導入例を踏まえて、新システムと現行システムの詳細な比較も行った。その結果、新システムのほうが汚染物質の除去効果が高く、年間約70万ドルのコスト削減になる可能性が示された。だが、それでもGMが態度を決めなかったので、ヒーリーはGMが信頼し尊敬するバイオガスの専門家を連れてきて、新システムのメリットを説明してもらった。そうして最終的に新システムに投資し、導入が決まったのである。
組織が繁栄するためには、ヒーリーのような中間管理職が変化の必要性を見出し、それをアピールすることが非常に重要である。中間管理職のもとには、顧客、サプライヤー、同僚との直接的な接触を通して貴重な情報が集まってくる。特定の製品やサービスの市場が成熟するタイミングを見極めたり、パートナーシップが機能不全に陥りそうな兆候に気づいたりできる立場にいるのだ。