ジョセフ・S・ナイ・ジュニアは、カーター、クリントン両大統領の下で、政府の要職を務め、その経験から導き出された「ソフト・パワー」という影響力行使の能力の概念を提唱したことで知られる。威圧や報復といった手段を駆使するハード・パワーに対し、ソフト・パワーとは、魅力やビジョン、コミュニケーションなどが手段となる。二つのパワーを的確に使い、スマート・パワーを実現できなければ、混迷する中東問題や、アジア諸国の台頭など、多極化が進む時代への対応は難しい。オバマ政権誕生の直前に行われた本インタビューでは、新時代の展望が語られた。