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イノベーションのKFSは野球場に隠れている
毎年10月に開催されるメジャー・リーグのワールド・シリーズは、7カ月に及ぶシーズンのクライマックスであり、チャンピオンを決するものである。スポーツ好きならば、どちらのチームを応援するかを決めているものだ。優勝チームから何かを学べるのではないか、こう考えるマネジャーもいることだろう。
考えてみると、成長の原動力となるイノベーションに責任を負っているビジネス・リーダーには、球団のゼネラル・マネジャーとの共通点が少なからずある。
どちらも、不確実性の高い環境で、追加投資かコスト削減かの判断を下しながら、資源配置を変えている。また、すぐに結果を求めるステークホルダーを抱える一方、自分たちの真価は歴史が判断してくれると考えているところも似ている。それが賢明な選択であったにしても、それが正しいとわかるまでに何年もかかることもあり、またリーダーがどれほど優秀でも、予想以上の苦戦を強いられることがままあるところもしかりである。
では、このような共通点をそのまま援用できるだろうか。すなわち、球団のゼネラル・マネジャーの問題解決法をビジネスに応用できるだろうか。少なくとも、3つの分野では可能と思われる。
イノベーションの責任者として、新しい製品やサービスの成功確率を予測したり、有望なアイデアを開発したり、イノベーション・プロジェクトのポートフォリオを最適化したりすることに取り組んでいるならば、最寄りの球場から素晴らしいヒントを得られるかもしれない。ただし、チケットを自腹で買うかどうかはあなた次第だが──。
正しい成功確率を教えてくれるものを探す
これは有名な話だが、「セイバーメトリクス[注1]革命」のおかげで、球団のゼネラル・マネジャーや野球ファンは、メジャー・リーグの成績を予測するに当たって何を判断材料にすればよいのか、どのような判断が試合の勝敗を左右するかを承知している。
同様に、イノベーション・プロジェクトのポートフォリオを管理するビジネス・リーダーにも、ずっと信じてきた前提やあまりに単純化された評価指標を積極的に見直す姿勢が求められている。
ここで、ヒューストン・アストロズのジェフ・バグウェルと、最後はピッツバーグ・パイレーツでユニフォームを脱いだジェフ・バラードという、名前以外ほとんど共通点のない2人の元野球選手に関するクイズについて考えてみたい。