情報の民主化、キャリアチャンスの透明化など、データとデジタルツールで可能になることは多い。人事・財務管理のクラウドソリューションを提供するワークデイが、企業文化の形成と維持におけるテクノロジーの活用法を示す。
企業文化とはいかにして築き、維持すればよいのか。これはマネジャーにとって最も難しい課題の1つである。変化と競争の激しい今日のビジネス環境においてはなおさらだ。
どの企業も、自社の核を成す一連の価値観を基にして文化を築こうと望んでいる。それによって、自社が何を重視し、どこを目指し、どの方法でそこに到達するのかについて、全従業員が認識を共有できる。
しかし、外部の競争環境が変化し、会社の方向性も変わる場合にはどうなるだろうか。また、テクノロジーの進歩に応じて、会社との接し方に関する顧客や従業員の期待が頻繁に変わる場合はどうだろう。自社が変化と成長を遂げるなかで、「文化を進化させていくこと」と「自社を成功に導いた価値観を守り続けること」を、どう両立すればよいのだろうか。
当社ワークデイでは、これらは2005年の創業初日から重要な課題である。共同創業者のアニール・ブースリとデイビッド・ダフィールドはすでに起業家として大きな成功を収めていたが、両者ともあることを理解していた。それは優れた文化とは必ず、組織の核となる価値観の上に築かれるということである。
ワークデイが価値観として重視するのは、従業員、顧客サービス、誠実さ、イノベーション、楽しさ、利益性である。当社が高い顧客満足度を実現し、働きがいのある職場ランキングの多くで最高評価を受けている理由は、創業当初からの我々の認識にあるものと確信している。すなわち企業文化は、すべての営業訪問・電話、従業員のあらゆるコミュニケーション、すべての製品イノベーションに浸透するということだ。
財務・人事管理のクラウドアプリケーションによって企業の変革と成長を支援する当社は、みずからその範を示すよう顧客から期待されている。同時に、顧客のビジネス上の課題と成功について熱心に耳を傾けることが、変革と成長に寄与している。
我々は中核的な価値観をしっかり保持し続ける一方で、従業員と顧客の変わりゆくニーズを満たすために、企業文化をたえず進化させようと努めている。その際に中心的な役割を果たすのが、テクノロジーだ。我々がテクノロジー企業であることをふまえれば、これはある意味当然かもしれない。だが、人々に「強力な企業文化の形成と維持に必要な物事は何か」と尋ねれば、テクノロジーを挙げる人はほとんどいないだろう。
価値観・理念のみ、あるいは新たなプロセスや組織改革のみによって文化をつくり出すことはできない。これらは必要ではあるが、我々は次のように考えたい。文化において、価値観は鼓動を続ける心臓であり、プロセスと組織構造は脳である。そして、心臓と脳をつなぎ会社を前進させる神経系が、テクノロジーなのだ。