このオフの効果は、仕事との距離感を変える効果ではないかと思っています。一日やるべきことやアポがあり、会社で過ごす時間は、自分の目の前に仕事がある状況で、いま目の前の現実と向き合う状況です。瞬時の判断も求められますし、その時間での価値の最大化に努めることになります。仕事との距離はまさに近い状態です。一方で、オフの日は、仕事と自分との距離が遠くなります。だからと言って考えることはあり、それは、虫の目と鳥の目の違いでしょう。
何事も近くに寄れば細部がよく見えます。離れると細部が見えなくなる代わりに、全体像が見える。自分の仕事を誰よりも詳しく知るためには、近くによって細部まで観察する。その一方で、その仕事が社会でどのような価値を生んでいるのかを見るには、遠く離れ、社会全体の中に置かれた状況から見てみる。この視点の距離を変えること、そして距離の往復から問題点や解決策が見えてくる効果は測りしれません。
GWの過ごし方は人それぞれ。仕事から思いっきり離れるのもいいし、まとまった仕事に取り組むのもありでしょう。そして仕事から離れようとして離れられないことに罪悪感を持つことは避けるべきだと思います。それがストレスになってしまいます。むしろ、浮かんだ仕事についての考えは、視点の往復運動をしていると捉えることができます。「レクレーション」と言う言葉は、「re (再び)」+「creation(創造)」です。オフに効率は求めず、仕事との距離が離れた自分の状態自体を楽しみたいと思います。(編集長・岩佐文夫)