原因1:回転テーブル
円卓を回し次々と皿に手をつけるような、広く浅いやり方で複数のプロジェクトを管理したために、タラは暗礁に乗り上げた。精神的にギリギリであったり、あるいは単に仕事の収拾がついていなかったりすると、いまやっているその作業が本当に最重要なのか確信が持ちにくくなる。
回転テーブル方式から脱するには……
●上司の助けを借りて優先順位を設定する
上司はたいていの場合、部下から助言を請われることを歓迎し、快く提供する。優先順位はしばしば混乱するものだ。まずは助けを求めることが重要である。
●時間と仕事を分野別に整理する
タラが時間を割り当てるべき仕事は、企画立案、編集、フリーランサーとの関係づくり、部下への支援である。効率を上げるために、To Doリストをこれらの分野に沿って整理した。そうすれば各分野での最も重要な仕事を素早く特定できる。そして分野ごとにスケジュールを組んで取り組める。タラは仕事が入るたびに、放置せず受け取りを確認し、いつ対応できそうかを周りに知らせるようになった。
●1日を履歴書のように管理する
効果的な履歴書は、活動ではなく成果を列記する。同様に、その日に仕上げるべき成果物を事前に決めておき、その計画を忠実に実行しよう。そしてその日に完了した仕事を記録し、予定と成果が一致したか確認する。タラは時間と成果を毎日記録し始めた後、アシスタントエディターを雇う必要性を上司に納得させることができた。
原因2:八方美人
自分の価値は、問題解決能力よりも「近づきやすさ」にある――私たちは時にそう考えてしまい、他者の頼みをうまく断れない。また、些細な依頼に応じることは、重要な仕事への「未達成感」が埋め合わされるという効果もある。
八方美人から脱するには……
●何に対して給料をもらっているのかを、しっかり意識する
管理監督、知識の共有、あるいは何かをつくることであれ、どの職にも果たすべき仕事がある。持てる時間の大半は、自分の本来の仕事、いま現在負っている任務に注がねばならない。それ以外の物事については、容赦なく切り捨てよう。
●スケジュールに予備枠を確保しておく
予期せぬ依頼のなかには、本来の仕事の一部であり、真に重要なものもあるだろう。だが大半は緊急でも重要でもなく、自分の仕事に何の関係もない場合さえある。
それでもやはり、組織のよき一員でありたいし、仕事上の関係も築いておきたいものだ。そこで、1日または1週間のなかで、急な依頼に対処するための時間枠を1つ用意しておこう。費やす時間を限定することで、何を引き受けるべきかをより適切に判断できる。
●上手な断り方を身につける
自分の時間を費やすのに最適とはいえない依頼が来たら、その状況を客観的に伝えよう。「自分の仕事」や「誰々の仕事」で忙しいわけではなく、すべては会社のためなのだ。
セリフを準備しておこう。「この件、私に持ち込んでくれて光栄です。でも、会社/上司/クライアントから、○○に集中するよう頼まれていて、いまはあなたの依頼をしっかりとはやれない状態なんです。ここに説明書とFAQがあるので、参考にしてください」