初めの一歩をどう踏み出すか
昔ながらのアフターサービス・オペレーションを、デジタル志向の顧客に適応させたダイナミックで大規模なコネクテッド・インフラストラクチャへと転換させるには、当然ながら時間がかかります。すぐに着手できる初めの一歩として、企業は次のようなステップを踏むことで、未来の成功を確実にすることができます。
1.デジタル志向の顧客のニーズはこれまでの延長線上にはありません。デジタル志向の顧客にフォーカスした、カスタマー・サービス戦略を策定しましょう。デジタル志向の顧客の混沌としたニーズを、自社にとって意味のわかる要求に翻訳し、なおかつ、その顧客に適したサービスを設計する必要があります。顧客の声に真剣に耳を傾けるということです。
2.デジタル志向の顧客の自由度をいかに増大させるかを考えましょう。サービスライフサイクルのどこに、企業と顧客のタッチポイントがあるか、どのタッチポイントで、顧客にこれまで以上の自由度を与えられるか、明確にしましょう。新たなサービスを設計するプロセスには、顧客を巻き込むことが重要です。
3.デジタル・ベンチマーキング・ツールを用いて自社の現在の能力を厳しく評価し、ギャップがある領域に新たなデジタル・オペレーション・モデルを導入しましょう。競合に勝てる自社ならではの決め手となる能力を数点開発し、徹底的に有効活用しましょう。
4.新しいアイデアをパイロットで実証しましょう。ただし、多くのプログラムを一度に導入することは避けるほうがよいです。うまくいかないアイデアはただちに捨て、有望なものは規模を拡大して導入しましょう。戦略の策定に際しては、プランニングに時間をかける時代遅れのアプローチを捨て、より俊敏かつスピーディな「パイロットアプローチ」へシフトしましょう。
デジタルを駆使する現代の消費者は、セルフサービス志向です。自ら商品在庫をリアルタイムでチェックし、自ら予約日時を決め、自らリモートで問題解決を図ります。拡大する一方の消費者のセルフサービス・パワーを正しく認識し、新たなデジタル・サービス・オペレーションによってそれを活用できなければ、企業は決して抜け出せない負のスパイラルに陥るでしょう。デジタル志向の消費者が主流となった市場では、よりスマートな「顧客巻き込み型」のサービス体験を提供できる企業こそが、勝利を収められるからです。