いまやネットで人と人、人とモノのつながりが容易になったことで、ビジネスの提供方法が多様化している。提供する「モノ」の価値を高めるのみならず、提供方法の違いで、価値を高める時代と言える。
古本屋さんからブックオフへ。 さらにメルカリへ
先日、フェイスブックで「漫画本を処分するのに、ブックオフかメルカリか、どっちがいい?」という投稿を見ました。いらなくなった本を処分する。以前だったら、古本屋さんに行くくらいしか、処分方法がありませんでした。
ところがブックオフが登場して以来、はるかに多くの古本がなるほど流通していることでしょう。そして、ネット上の市場の登場です。ヤフー・オークション(いわゆる「ヤフオク」)が先行し、いまや携帯電話で操作が簡単なメルカリが人気を博しています。また、アマゾンのマーケットプレイスという手段もあります。
かように「いらなくなった本の処分」だけでも、これだけの選択肢がある社会になりました。従来、古本屋さんは店舗を構え、その地で商売を続けているという事実をもって顧客の「信用」を提供していました。ブックオフは、買取や販売のプライシングのわかりやすさで顧客の信用を得ました。それに代わって、ヤフオクやメルカリは、過去に売買をした相手からの「レビュー」が信用の担保を果たしています。ネットによって、人と人を結びつける方法がこれだけ多様化し、かつ容易になったことの証です。
ネットによるマーケットプレイスの登場は、いわば商売の根底である信用の構造を変えた「信用革命」だったのです。