人材や業務の多様化が進み、チームをマネジメントするリーダーへの期待は高まっている。成果や価値を生み出すチームにするためにリーダーが果たすべき役割は何か。ライオン、クラフト・ジャパン、日本コカ・コーラなどさまざまなチームを率い、現在、資生堂の代表取締役執行役員社長兼CEOを務める魚谷雅彦氏に、チームマネジメントの哲学を聞いた。

チームの意義は新しい価値を生み出すこと

編集部(以下色文字):魚谷さんはさまざまな組織で、さまざまな形のチームを率いてこられたと思います。リーダーとしてどのようなチームの姿を理想としてこられたのでしょうか。

魚谷(以下略):これまで三十数年にわたって仕事をしてきた中で、最初から理想の形があったわけではなく、時代や立場によって変化してきました。