人工知能の初期導入に参考となるフレームワークを紹介する。簡便な既存ソフトウェアからワトソンまで、目的やリソースによって7つの方向性が考えられる。
私はバブソン大学のMBA学生に、認識技術(人工知能ともいう)について教えている。受講生の多くはこの種のテクノロジーに馴染みがない。そのため彼らの視点でこのテーマに向き合うと、圧倒されるような思いを抱く人が多いであろうことを再認識させられる。
人工知能の種類はきわめて多岐にわたり、それぞれを十分に理解するには技術的な知識が求められる。したがって初心者は、導入方法の見極めに苦労することが多い。
最も単純な認識技術としては、従来のアナリティクスをより自律化したものがある。たとえば、回帰分析で予測変数のすべての組み合わせを自動で実行するなどだ。一方、もっと複雑なもの――ニューラルネットワーク、ディープラーニング、自然言語処理、アルゴリズムなど――は、それらを扱うデータサイエンティスト自身にとってさえ、ブラックボックスのように映ることもある。
こうしたテクノロジーは手強そうに思えるが、新規の導入が日々容易になっているのは朗報だ。実際に多くのベンダーがこの分野に参入し、業務プロセスや製品のスマート化を望むあらゆる企業に製品・サービスを提供している。
私の考えでは、認識技術を使い始めるには少なくとも7つの方法がある。そのうちのいくつかは、他よりも明らかに簡単で値段も手頃だ。
導入の仕方は、その後の方向性を左右する重要な要因となる。そこで、新規導入の方法を「主に購入」「一部購入・一部構築」「主に構築」の3つのカテゴリー別にまとめた。