長期志向の経営によるメリットとは何か。そもそもそれは、業績との実質的な相関があるのか。このたび、マッキンゼー主導の調査チームが、長期主義のインパクトを定量的に立証した。


 企業が優れた業績を上げるのは、経営陣が長期的な価値創造に取り組むときである。そして、四半期決算に対するウォール街の期待にしっかり応えるよう迫る、アナリストと投資家のプレッシャーに抵抗するときである――。

 このことは昔から、直観的には正しいとされている。ユニリーバ、AT&T、アマゾンなど、長期的な視点を断固貫くことで成功する企業を私たちは見てきた。とはいえ、長期志向の経営がもたらす見返りを数値化するために必要な、包括的データはなかった。ただし、これまでのところは、である。