ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーの「ナッジ理論」は、世界中の組織の行動変革施策に大きく寄与している。HBRにおける行動経済学の代表的伝道者、フランチェスカ・ジーノが、彼の功績を改めて振り返る。

※ハーバード・ビジネス・レビュー編集部注(2023年7月7日):フランチェスカ・ジーノによる研究(本稿で言及された学術論文の一部を含む)について、データの妥当性に懸念が示されました。それらの懸念は、彼女の研究結果の妥当性に疑問を呈するものです。


 先日、ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学教授のリチャード・セイラーは、さまざまな分野の研究者に影響を及ぼし、人間の行動に対する我々の考え方を根本から変えてきた。