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GEを率いた6000日
CEOの役割は事業や景気の局面に応じて異なる。みずから起業して事業の土台を築くCEOもいれば、安定した経済あるいはビジネスモデルに支えられて上げ潮に乗る、恵まれた立場のCEOもいる。しかし、私の場合は違った。激動の時代に、由緒ある企業を再生する任務を背負ったのである。
私は30万人の組織を6000日にわたって率いた。その間に景気後退、バブル、地政学的リスクを経験した。「ブラックスワン」(予測を超えた衝撃的な事象)にも、少なくとも3回は遭遇した。新たな競争相手が現れ、ビジネスモデルが変化し、従来とはまったく異なる投資手法が登場した。しかし、我々はただ耐えるのではなく、変革を実践した。ゼネラル・エレクトリック(GE)は、将来の繁栄に向けた準備が整っている。
私がGEの経営を引き継いだのは2001年である。以後2017年まで、文字通り数え切れないほどの変化が起きた。今日、CEOの仕事はかつてなく難しくなっている。その意味で私は、進歩と完璧のはざまで任務に当たってきた。私の判断の結果は今後数十年の間に明らかになるだろうが、我々は長期的な価値創造に向けて、けっしてひるまず大胆に行動した。