先端技術をもつベンチャーと提携
ドローンやARを活用するコマツ
3者が共通して指摘することは、技術革新の速さです。背景には、スマホの大量販売などで半導体等の電子部品が量産効果で安価となり、性能が飛躍し、IoTでクラウドを通じてビッグデータが収集されるなど複数要因の重なりがあります。そして、この傾向は続くと見られます。
したがって企業は、超速の技術革新を前提に、戦略を考えていかなければなりません。この点、建設機械大手のコマツはドローンやARを生産性向上に活用し、成果を挙げています。オープンイノベーション戦略で、先端技術をもつベンチャーとの提携を進める社長の大橋徹二氏に、技術経営論についてインタビューしました。
大橋氏は社長就任の翌年、2014年4月にCTO(最高技術責任者)を新たな役職として設け、世の中の最新技術の動向を探る役目を課しています。そのCTOが僅か2カ月後に米国シリコンバレーでコンタクトを取り、その年の内に提携したのが、ドローンで取得したデータを分析・加工するベンチャーでした。
大橋氏は今回のインタビューで、ベンチャーとの提携の要諦はリスクテイクとスピードと指摘し、それを成功に結び付けるには、経営陣の技術に対する目利き力が必要と話しています。
また、技術経営論は歴史的に、どう発展してきたのか。5つ目の論考として、過去のHBR名著論文「経営戦略と技術をどう結び付けるか」を再掲しました。
さらに今号では連載でも、早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄氏に、技術を経営理論の視点で論じていただきました。盛りだくさんの今号は、通常より16ページ多くなっています。(編集長・大坪亮)