最新号は、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授らの論文をもとにした“飛び出す表紙”です。本誌に記載しましたアプリケーションをスマホ等にダウンロードして活用すると(無料)、表紙とポーター教授の論文で、AR(拡張現実)をご体感いただけます。『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』2018年1月号は「テクノロジーは戦略をどう変えるか」を特集しました。
AI、AR、ドローンを
ビジョナリーが論じる
今号(12月9日発売)は本誌p.27に記しましたアプリケーション「HBR AR」をスマートフォンやタブレットPCにダウンロードして活用すると(無料です)、表紙とハーバード大学教授のマイケル・ポーター氏らの論文で、音を伴ったAR(拡張現実)による工場の生産ラインの立体動画を楽しんでいただけます。下記は米国HBRでの紹介動画です。
PTC's Harvard Business Review AR Experience from Bully Entertainment on Vimeo.
特集では、ポーター氏がAR、『機械との競争』の著者でMIT教授のエリック・ブリニョルフソン氏がAI(人工知能)、『ワイアード』元編集長のクリス・アンダーソン氏がドローン・エコノミーと、3人の有力識者、ビジョナリーが最先端技術の動向と可能性を論じています。
戦略論の大家、ポーター氏は1985年にIT、2000年にインターネット、14年にIoTについて、それぞれが戦略に与える影響を考察した論文を発表しました。今回は、デジタルデータの視覚イメージを現実世界に重ねるARを、企業等での多くの活用例を挙げて、競争戦略との関係とともに詳述しています。
p.35で、前述のAR動画を試していただくと、生産工程での3つの効果(可視化、作業指示、相互作用)を双方向型デモで実感できます。ポーター氏は、ARが人間の未開拓能力を引き出すと前向きに捉えています。
ブリニョルフソン氏はAIを、蒸気機関や電気と同じく社会全体を劇的に変える汎用技術と捉えます。近年の急速な進歩の理由を解説した上で、そこから導き出される可能性と限界、人とAIが協働する上での役割分担を論じます。
AIはさらに進化し続けていくものの、課題を発見したり、他人を鼓舞して動かしたりする領域は人に残ると指摘。そうしたAI時代において、人が磨くべき能力や企業が採るべき施策を提示します。
アンダーソン氏は、データ取得の革命としてドローン・エコノミーを分析します。ドローンは軍事利用等を念頭に開発されましたが、わずか10年間で誰もが買える玩具となり、今日ではビジネスの道具として活用されています。
今後、ドローンの自動運転技術が確立され、データ取得とその活用が社会に革命的変化をもたらすと考えます。ドローンはクラウドとの間でデータを交換し、プログラムを随時更新し、自律的に活動して、日常生活に不可欠なものになっていくと予測しています。
具体的には、農業、土木建設、災害、軍事などでの活用が論文で示されていますが、道路や地形など地理関連の正確かつタイムリーな情報取得は、自動車の自動運転の実現が迫る今日、さらに意義あるものになると考えられます。