特長②人材エコシステム
台頭するアダプティブ・ワークフォース(フリーランス等の流動化人材)を踏まえ、必要なベストな人材を“どこからでも”調達できるエコシステムがある組織
米国ではミレニアル世代の就労意識等を背景に2020年に労働人口の4割超がフリーランスになることが予測されている。このなかには単純作業労働の担い手だけでなく、高度専門人材・プロフェッショナル人材も多く含まれている。このような人材は企業が人材クラウドソーシングとして、プロジェクトベース・有期雇用で直接雇用するようになり、人材サービス市場にも大きなインパクトをもたらす。また単純作業労働についても、すき間時間をデジタルテクノロジーを使ってフル活用するモデルが登場してきている。
たとえばUBER Eatsでは、配達員をデジタルを使って効率よくすき間時間をマッチングさせながらクラウドソーシングしている。日本でも米国より進展のスピードは遅いものの(特に高度専門人材)、人手不足を背景に比較的単純作業労働において人材クラウドソーシングが加速度的に進展することが予想される。
このようなアダプティブ・ワークフォースの台頭を踏まえ、企業はどのような人材をコア人材として正規社員雇用し、どの人材(高度専門人材を含む)はクラウドソーシングするのかを定め、クラウドソーシングプレーヤー、従来の人材派遣プレーヤーなどとのエコシステムをつくり、合わせてクラウドソーシングがマジョリティになる可能性を踏まえたオペレーティングモデルを構築していかなければならない。究極的に人材クラウドソーシングが進んでくると、企業にとって雇用とは何なのか、人事部門は必要なのか、という根源的な問いに企業は答えることを迫られるかもしれない。