あなたの現在の休暇モードは、次のうちのどれか

 ●カウチポテト派

 カウチポテト派は、休暇に入る前に最後の仕事メールを送り終えたら、すべてのデバイスのスイッチを切り、仕事から完全に離れる。休暇の唯一の目標(目標というよりむしろ、無意識の衝動に近い)は、テレビ番組の全シリーズを一気に視聴することだ。とにかく何もしなかったのだから、休暇が終わるときにはさぞリフレッシュできているはずだと、カウチポテト派は期待するが、なぜか挫折感と準備不足感がつきまとう。「休みの間中、何をしていたんだ?」と自問しても、答えは見つからない。

 カウチポテト派の休暇は極めてリラックスしているように見えるのに、現実には満足感が得られない。なぜか。その理由は、生産的な活動から解放される時間は確かに必要なのだが、ここ数ヵ月手を着けられずにいた他のニーズも山ほどあり、「ぼんやり過ごす」だけではそうしたニーズは満たされないからだ。なかでも、有意義な社会的交流(残念ながら、パートナーとネットフリックスを見ることは含まれない)と体を動かすこと、そしてじっくり考えることがとりわけ必要だ。

 ●偽りの休暇派

 この流派は、休暇中もひたすら働き続ける。手続き上は休みを取っても、休日の食事や他の個人的な約束事の周辺に仕事を詰め込む。問題は明白だ。研究結果からも明らかなように、スケジュールに定期的な空きや休みを入れることは誰にも必要だ。それを無視し続ければ、間違いなく、燃え尽き症候群へと突き進むことになる。

 では、よくないとわかっていても、休暇中に仕事をし続けてしまうのはなぜなのか。

 もちろん、自分ではどうしようもないこともある。上司や会社から要求されるときだ。ただし、慢性的に仕事が山積みで、過大な任務を負っている上級管理職には、実はもっと危険な理由がある。彼らにとって休暇は、山積した自分の仕事を片付ける絶好のチャンスなのだ。立て続けのミーティングや、絶え間なく届くメール、そして、増える一方のリクエストが一切ない時間など、ふだんならほぼ存在しないも同然だ。管理職にある知的職業人なら、なおさらである。

 実際、ベイン・アンド・カンパニーでパートナーを務めるエリック・ガートンの調査(邦訳はこちら)によれば、大半の管理職には、自分の仕事ができる時間は週に7時間しかない。しかも、たいていは20分単位で分断されている。彼らにとって、ミーティングやメールがない環境で仕事ができる魅力は、ほとんど抗しがたい。

 だが、休暇を使って働けば、短期的なストレス軽減にはつながるかもしれないが、長期的なストレスは抱えたままだ。考えてみてほしい。1週間以上休んでも何も起こらず、追いつかなければならない新規の仕事も入ってきていない状態で職場に戻れるときなど、年末の休暇以外にあるだろうか。

 ●休暇版ワーカホリック

 休暇版ワーカホリックは、ワーカホリック(仕事中毒)の性向を休暇時にも発揮する。仕事でミーティングを次から次へとこなすように、休暇中はパーティーを次から次へとこなすのだ。このタイプは何マイルも、また何時間もかけて旅行し、受け入れてくれる家族全員に会いに行き、自分自身には立ち止まって休憩し、1人になる時間を与えない。ようやく1人になる時間ができる頃には、疲労困憊して倒れて寝込む以外には、何もできない。 

 原因はいくつか考えられる。1つには、自己防衛の境界線が欠如しているからかもしれない。(「今年は会いに行けないなんて、サンドラ伯母さんに悪くて言えない」)。あるいは、職場で身につけた習慣に突き動かされているのかもしれない(パリに行ったらルーブル美術館の全展示を見なければ気が済まないタイプだ)。

 根本的な理由が何であれ、結果は同じだ。休暇中にクリスマスパーティーとクリスマスクッキーのやり取り、プレゼントの交換、そしてクリスマスツリーの点灯といったイベントの波に押し流され、気がついた時にはくたくたに疲れ、さらにいっそう燃え尽きて、新年を迎える羽目になる。