よりバランスの取れた方法を意図的に選択する

 自分がどのタイプがわかったら、次の課題は、来年のクリスマス休暇をより健全に過ごせるような戦略を練ることだ。以下のヒントが役立つだろう。

 ●休暇について持続可能な目標を設定する

 パフォーマンスの高い職業人はたいてい、仕事に打ち込み、任務の遂行と目標の達成に集中する。リラックスした休暇を過ごすには、その集中力を自分のメリットになる方向に使うとよい。私が推奨する方法は、休暇中の目標を設定することだ。睡眠時間はどれだけ欲しいか、どれだけ運動したいか、どれだけ仕事をしてもよいことにするかなど、あなたにとって大事な分野で決めるといいだろう。

 ●消化時間を優先する

 あなたが大半の人と同じくらい多忙であれば、昨年の出来事を十分に消化する時間を取っていない可能性が高い。数々の体験を未消化にしている状態は、いわば心の中にあるメールの受信トレイをあふれたままにしておくようなものだ。すなわち認知的負荷がかかり、落ち着いて効果的に新たな体験に取り組む能力を低下させることになる。

 そこで、日記をつけて心が休まる場所を見つけるのもいいし、友人か家族と腹を割って会話をするのもよい。方法は何でもいいが、重要なのは、時間を取って心の受信トレイを空にすることだ。

 ●来年の目標を設定する。それにかけるよりも長い時間をかけて、どのようにそれらの目標を達成するかの計画を立てる

 多くの人は冬の休暇を利用して新年の抱負を設定するが、調査データによれば、このうちの多くは未達成に終わる。これが不安や心配の種になる。

 目標を達成する勝算を上げて休暇中に心の安寧を得る方法は、十分な時間をかけて、前もって計画を立てることだ。実行計画も考えておけば、そもそも現実味のない目標を設定する可能性は低下する。「仕事に行く前に週に3日、20分の運動をする」というのは、さほど立派な抱負には聞こえないかもしれない。だが、この計画があれば、「3月までに20ポンド(約9キロ)減量する」という目標を設定しただけで休暇を終えるよりも、希望どおりに減量に成功する可能性が高まる。

 ●休暇の伝統をつくり、維持する

 伝統は習慣の一形態だ。習慣を形成し改善することは、躍起にならなくても目標を達成し、生産性を向上するカギとなる。休暇についても同じことがいえる。休暇を有意義に、生産的に、かつリラックスして過ごすという伝統を形成しよう。そうすれば、希望通りの休暇を確保するための行動が、確実に実行に移される。

 生産的かつリラックスした休暇を過ごすという伝統があれば、休暇はこう過ごすべきだという周囲の人たちのお節介な要求から身を守ることもできる。確立された伝統に口出しする人は、さすがにめったにいない。

 多くの知的職業人にとって、冬の休暇は真に休養して活力を取り戻すための貴重な時間となりうる。新年を迎える前に、そのチャンスをつかもう。


HBR.ORG原文 How to Actually Come Back from the Holidays Feeling Refreshed, December 22, 2017.

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マット・プラマー(Matt Plummer)
ゼルバナ創立者。 同社が提供するオンライン従業員トレーニングプログラムは、知的職業人を対象に、より多くを、より短い時間で成し遂げるのに必要な行動変化を促す。ゼルバナ創立前の6年間は、コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーから派生した会社で、非営利団体や財団法人、慈善家などを対象とした戦略・経営コンサルティング会社のブリッジスパン・グループに勤務。ツイッター(@mtplummer)でも発信している。