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※本稿は「顧客の『選択』を『習慣』に変える」の内容を基に構成されています。
累積的優位の理論が通用する条件
顧客の「買おう」という判断は、製品やサービスへのロイヤルティよりも、習慣と買いやすさとの結び付きが強い、という考え方を筆者は大変素晴らしいと思う。消費者の意思決定に関するこれまでの研究には、行動科学からのこうした視点が欠けていたからだ。アラン G. ラフリーとロジャー・マーティンが述べているように、この考え方は製品開発とブランド管理の方法に大きな意味合いを持つ。顧客の無意識が大半の意思決定プロセスを支配しているという2人の主張に、筆者は完全に同意する。
顧客がなるべく簡単に、速く、そして楽に日々の選択をできる状況をつくり出せれば、企業は大きな利益を得られるだろう。それは、定期購入というビジネスモデルが実に多くの産業でこれほどの人気となった理由の一つである。顧客は、いったん申し込みさえすれば、そのつど購入の判断をする必要がなくなるし、企業の側には、この仕組みは努力せずに一定の収入を得られるという魅力がある。