日本企業も働き方改革からAIの活用を
――最後に、日本企業はAIの活用にどう取り組むべきか、どこから始めるべきか、経営者へのアドバイスをお願いします。
AIの活用の仕方はビジネスの形態に応じてさまざまだと思いますが、オフィスワーカーや現場の働き方改革では、当社もその効果を強く実感しています。皆様も、まずはここからAIの活用を始めてみてはいかがでしょうか。
また、AIは人の働き方だけでなく、さまざまな活動の"効率化"に大きく寄与します。例えば、運送業界における配送拠点や配送ルートの最適化などでAIが大きな効果を発揮していますし、交通渋滞の緩和にも有効です。実際、マイクロソフトは米国ロサンゼルス市と共同でAIを活用した高速道路の渋滞問題の解消に取り組んでいます。
さらに、先ほど事例としてご紹介したデジタル・サイネージやデジタル・マーケティングの分野では、AIをうまく活用することで企業とエンドユーザーの双方に大きなメリットが生まれます。こうした取り組みにも、ぜひ関心をお持ちいただければと思います。
私たちは今、日本の産業界全体の競争力を高めていくためにも、AIやクラウドをはじめとするICTをもっと活用すべき時を迎えています。単なる効率化にとどまらず、より高い付加価値を生み出し、今後も世界をリードする競争力を維持していくために、ともにデジタル・トランスフォーメーションを推進していきましょう。

(取材・文/名須川竜太 撮影/西出裕一)