「いま熱中しているものは?」

 さまざまな答えが期待できる質問である。仕事関連の答えや子どもについて、新しく買ったボートの話など、熱中できるものなら何でもあり得る。

「いまから楽しみにしていることは?」

 この質問も同じ理由で効果的だが、過去ではなく未来指向なので、相手が選べる答えの幅がさらに広がる。

「この1年間であなたに起きた最高の出来事は?」

 これは前の2つとも似ているが方向は逆だ。未来ではなく過去についての話題である。とはいえ、これも多種多様な答え方ができる間口の広い質問である。

「育ちはどちらですか?」

 この質問は相手の経歴に踏み込んでいる(ただし「出身はどこですか?」より答えの幅が広く、気軽な質問だ)。相手は子どものころの些細なエピソードで応じることもできるし、現在に至るまでの経緯や、いま何をしているかを語ることもできる。

「趣味は何ですか?」

 会話を仕事から遠ざける質問だ。もちろん、相手が幸運にも趣味を仕事にしている場合は別だが。その場合でさえ、これは仕事を離れた質問と理解され、ありふれた答えであっても、仕事を離れた関係を築ける可能性がある。

「好きなスーパーヒーローは?」

 突拍子もないようだが、私がよく使う手の1つである。偶然、同じキャラクターが好きだという相手が見つかることもたまにはある。そうでなくても、相手がそのキャラクターを好きな理由を聞けば(あるいはスーパーヒーローにまったく興味がない理由を聞けば)、何かしら共通点が見つかるものだ。

「何か支援しているチャリティ活動はありますか?」

 これも答えの幅が広い質問である(支援しているチャリティ活動が1つでもあるという前提だが)。大事なのは、「支援」といってもお金の寄付とは限らないことである。ボランティア活動や関心を高めるための協力だけでも十分だ。あなたはおそらく相手と共通の関心を見つけるか、あるいは、それまで知らなかった慈善活動を知ることになる。

「あなたについて知っておくべき一番大事なことは?」

 これが効果的な理由も前述の質問とほぼ同じだが、答えの幅という点では最も広い。ただし、少し踏み込みすぎるきらいがあるため、いつ用いるかについては、場面ごとにさまざまな判断が必要だ。

 どの質問を選ぶにせよ、重要なのは、仕事と無関係な答え方もできる間口の広い質問をすることだ。そうすれば初対面の相手を、単に新規連絡先に加えるだけでなく、新たな友人にする可能性が高まるはずだ。


HBR.ORG原文: 8 Questions to Ask Someone Other Than “What Do You Do?”, January 30, 2018.

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デイビッド・バーカス(David Burkus)
オーラル・ロバーツ大学准教授。経営学を担当。専門はリーダーシップとイノベーション。既刊に『どうしてあの人はクリエイティブなのか?』がある。最新作は2018年5月刊行予定のFriend of a Friend...。詳細はウェブサイトを参照。