デパートやブティックに出かければ、必ず売り込みに出くわす。ファスト・フードや高級レストランでも、また家にいても、会社に行っても売り込みに遭う。そのスタイルは、辟易とするものから、スマートなものまでさまざまだが、あの手この手を弄して顧客に売りつける営業を「ハイ・プレッシャー営業」、顧客が買いたくなるように促す営業を「ロー・プレッシャー営業」という。本稿は一九四七年のものだが、二一世紀のいまを見回しても、ハイ・プレッシャー営業は絶滅するどころか、捲土重来している。「売ってさよなら、買わせてさよなら」の営業の限界を指摘し、誠実さと率直さを武器にしたロー・プレッシャー営業の有効性を考える。