事業領域およびコア製品で選択と集中を徹底

編集部(以下色文字):御社の業績は、前期の2018年2月期は11カ月の変則決算ながら、連結決算で売上高4485億円、純利益397億円といずれも過去最高で、売上高営業利益率は12%と高水準です。同利益率は2013年度より6年連続で7%を超えています。長期間にわたって、高い収益力を維持されている要因は何ですか。

小笠原(以下略):事業領域の選択がうまくいったことが一つの要因です。メカニズム(機械装置)とエレクトロニクス(電子工学)を融合した「メカトロニクス」という言葉をつくり、概念を最初に提唱したのは当社ですが、1990年代からこのメカトロニクスに事業構造を大きくシフトさせました。近年は、FA(ファクトリーオートメーション=工場の自動化)に経営資源を集中させた成果が出ています。

 当社は2015年に創業100周年を迎えましたが、もともとは炭鉱用の電動機(モーター)から出発した会社です。そこで、機械を精緻に制御する技術を培い、製鉄、上下水道、製紙、フィルムなどのプラントのシステムエンジニアリングへと事業領域を広げていきました。