世界屈指のオフィス家具メーカー、スチールケースのCEOは、新製品開発は、なぜ成功したり、失敗したりするのか、ずっと悩んでいた。ところがある時、複雑系理論に触れたことで、あるケースの成功要因が別のケースでは失敗の原因に変わってしまうことがあることを学んだ。そこで彼は、クリティカル・シンキングによる管理職のマインドセットの改革に乗り出した。その結果、新規事業や新製品開発にありがちな反論や後知恵、非難の応酬や人格攻撃といった「無駄な混乱」がなくなり、また経済的成果ばかり追い求める猪突猛進型の行動も改善され、新製品開発の成功確率と社員たちの自信が高まった。