世界最大級の資産運用会社ブラックロックCEOのラリー・フィンクは、白人男性中心の組織構成を見直すために採用方法を改めることを発表した。この発言は、メディアや批評家を中心に、個人の思想を優先して株主の利益を犠牲にする行為であり、上場企業の経営者がとるべき行動ではないという批判を浴びた。だが筆者は、企業が社会問題に取り組むことは経済的成功をもたらすと証明されており、フィンクへの批判こそが的外れだと異を唱える。


 運用資産6兆円を有する世界最大級の資産運用会社、ブラックロックのCEOラリー・フィンクの先日の発言は、激しい論議を呼んだ。人材多様性を促進するために採用方法を変更し、おそらくは報酬体系も変えることで、5年後には自社が単なる「白人男性の集団」でなくなることを保証する、と述べたのだ。

 これは、彼が世界のCEOに対し、企業は利益の最大化を超えたパーパス(存在目的)を持つ必要があると訴えた年次書簡に続く動きである。