ベテラン社員の退職で直面するナレッジ喪失
あなたは、自社のベテラン社員が持っている貴重なスキルやナレッジを具体的に挙げることができるだろうか。もしできなくても、それはあなただけではない。だが、それは会社を危機にさらすことになりかねない。
世界的に見て、労働力の大半が引退年齢を迎えようとしている。米国の場合、2017年の60歳以上の人口は6500万人だ。これが2020年には、7700万人を超える見込みである。欧州最大の経済国家であるドイツでも高齢化が進んでいる。
各種研究[注1]によると、このような流れは、企業の要員計画に大きな影響を与える見通しだ。たとえば、高齢の社員が大量に会社を去る可能性がある。だが、それが「いつ」なのか、その予測はますます難しくなりそうだ。なぜなら、必要に迫られたり、やりがいを求めたり、あるいはその両方の理由で長く働き続ける高齢者が増えているからだ。