「超」高齢化がもたらすのは危機ばかりではない

 私たちは人口動態の激変に直面している。多くの国々で高齢化、それも「超」高齢化が進行している。世界的には、2050年までに60歳以上の人口が倍増して20億人を突破し、5歳未満の子どもの数を抜き去ると予測される。

 米国では、1日に約1万人が65歳を迎えており、2030年までには、国民の5人に1人が65歳以上になっているだろう。そして2035年には、米国の歴史上初めて、退職年齢に達した人々が18歳以下を人数で上回ると見込まれる。

 年齢構成が変化している理由は、医療の進歩による健康寿命の長期化、出生率の低下など多岐にわたるが、その行き着くところは、数十年後には世界の人口構成は現在とは大きく異なっている、という一点に集約される。