●フィードバックをもらう

 自分のタスク重視と人間重視のバランスについてどう思うかを、主要な関係者に尋ねるとよい。「私のタスク重視と人間重視の比率は、100ポイント中、何ポイントずつか」と聞いて、数値化してもらおう。あるいは、「人への重視を強めて、チームメンバーに貢献するために、自分はどうしたらよいか」と問いかけてもよい。同僚が自分に率直に話してくれるか不安があるなら、エグゼクティブ・コーチなどの第三者に、フィードバックを集めてもらってもかまわない。

 ●人間重視になるための最適な方法を見極める

 寄せられたフィードバックをもとに、日常的な習慣にできる事柄を決めよう。たとえば、直属の部下とキャリアアップについて定期的に話し合う場を設ける、その際に相手に集中できるよう、気を散らす物事を遮断しておく、同僚とコーヒーを飲みながら、仕事以外の面でも互いを知る、などだ。

 こうしたことは、最初は気まずいとしても、義務感ではなく本心からの行為でなくてはならない。個人的な絆を深めることで、相手は自分が「目的達成の手段」ではなく個人として尊重されていると感じるようになる。

 ●自己観察および内省をする

 自分が忍耐力を失っているときや、性急になっているとき、その状態をその場で認識しよう。これにより、目の前の瞬間に意識を集中できるだけでなく、自己認識力を向上させることにもなる。

 自分の振る舞いの原因を洞察するために、内省的な問いを自問するとよい。「自分は何を避けようとしているのだろう?」「ペースを落とすことについて、自分は何を恐れているのか?」などである。

 ●視野の狭い思い込みを正す

 自分の振る舞いの原因となっている狭い考え方が、いかに誤っているのかを知るために、いくつか安全な実験をしてみよう。たとえば、タスク重視と人間重視のバランスがうまく取れている人と話をするなどして、そのバランスをどう実現しているのか、それが成功にどう寄与しているのかについて、気づきを得るとよい。

 ●セルフ・マネジメントを実践する

 その場で即時に的確な自己認識ができると、一瞬立ち止まって別のアプローチを選択する機会が生じる。たとえば、週末に大型案件についてのメールを大量に送るのをやめる、一瞬立ち止まって同僚の努力を認め感謝する、チームメンバーに新しいことを教えて訓練するために時間を取る、などかもしれない。

 たしかに、タスクを重視して結果を出すことは、どんなリーダーやチーム、組織にとっても、成功するために不可欠だ。しかし、人間重視とのバランスがうまく取れていないと、その成功はあらゆる面で限定的なものに留まってしまうのである。


HBR.ORG原文:Why Highly Efficient Leaders Fail, February 12, 2019.

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レベッカ・ザッカー(Rebecca Zucker)
リーダーシップ開発を専門とするネクスト・ステップ・パートナーズの共同創業者・経営者兼エグゼクティブ・コーチ。クライアントに、クロロックス、グーグル、ニールセン、ヒューレット財団、スコール財団の他、ドキュサインやクラウデラなど急成長中のテクノロジー企業がある。ツイッターは@rszucker