SNSマーケティングの4大特徴
SNSマーケティングは、従来のマスメディアマーケティング、つまりテレビCMや新聞広告などと比べて、大きく4つの特徴(相違点)を備えている。(1)粒度を下げる、(2)頻度を高める、(3)速度を速める、そして(4)協働を促す、である。
「粒度を下げる」とは、より細かく絞り込んだターゲットにマーケティングの手法を打ち込めるということ。従前は、ターゲットといっても「世間の一般的な大人たち」「大学生」など大まかなものだった。つまり粒度が大きい。セグメントを絞ったとしても「大人の女性で25歳前後」とか「関東に住む高校生で理系、特に社会学を学びたい学生」といったレベルだ。これに対してSNSマーケティングは、テーマや時間やエリアなどでターゲットを絞り込み、粒度を下げて、細やかな対応を可能にする。
「頻度を高める」とは、ターゲット層との接触頻度を高められるということ。従来のマーケティングでは、情報発信の回数がある程度制約されていた上に、ターゲットからの受け皿も「申し込みはがき」や「コールセンター」に限られていた。しかし、SNSマーケティングではメールのやり取りや特設サイトへの誘引など、多様でかつ数多くの機会を提供することができる。SNSを用いれば、ターゲットとの間で頻繁に情報のやりとりが可能になるのだ。
「速度を速める」も、多くの説明を要しないだろう。ダイレクトメールなどに比べれば、メールやSNSによる発信やインタラクティブなやり取りの速度は圧倒的だ。
「協働を促す」は、SNSマーケティングの大きな特徴だ。粒度の下がった特定の顧客と多頻度で、速いスピードで接触を繰り返す作業は、どちらが情報の送り主か受け手か判然としなくなるほど協動、つまりコ・ワーキングの可能性を高める。ここでいう協働とは、コミュニケーションにとどまらない。製品開発や価格決定などにおいても、顧客の実質的な参加を実現させ、協働を促してくれる。
これらの結果、SNSマーケティングでは、小さなエリアにとどまっていた動きが、異質であるという理由から、逆に拡散されやすくなるという現象を生む。粒度が下がると、別エリアにいる同じような粒度の集団と反響しやすくなり、情報も拡散していく。結果的に、マス広告よりも強いパワーで拡散していくのである。