相手と顔を合わせて対話すること以上に、効果的なコミュニケーション方法はない。しかし、クライアントが遠方にいたり、リモートワークを導入している会社で働いていたりするなど、直接の面会が叶わないケースも増えてきた。どうしてもバーチャルで会話せざるえないとき、特に言いにくい話をするときに注意すべき、3つのポイントを示す。
心理言語学者のハーバート・クラークが指摘したように、人間のコミュニケーションは、少人数で、顔と顔を突き合わせ、リアルタイムで話をするために最適化されている。この理想的な状況から離れれば離れるほど、コミュニケーションが失敗する可能性が高まる。
にもかかわらず、一緒に仕事をしているのに、一度も顔を合わせたことがないということはよくある。相手か自分のどちらかがリモートワークだったり、オフィスが別々あるいは海外だったりする、などである。その場合、コミュニケーションのハードルは上がる。自分か相手、または双方がストレスを感じる内容や事態の場合はなおさらだ。
話し合おうとしている内容が心情的に言いにくいことだったり、概念的に難しいことだったりするときには、できる限り理想的な状況に近い形で話をすることをお勧めしたい。リアルタイムで会話をすれば、理解できないことがあったり、話についていけなくなったりしたときに、すぐに話を遮ることができる。この協調的交渉は、効果的なコミュニケーションの証なのだ。
そして、言いづらいことを言うときには、アイコンタクトはいっそう重要になる。顔を見れば、その人が感じていることがかなり読み取れる。
一般に、微表情と呼ばれる瞬間的な表情の変化でさえ、ある情報に対する、相手の最初のリアクションを知る手がかりになる。メールやテキストメッセージはもとより、電話でのやり取りでは、相手の顔に一瞬現れた表情の変化や、それが意味することを見逃す可能性が高い。
どうしても難しい話し合いをしなければならない場合、できることはいくつかある。