ビジネスやスポーツで成功を収めるために必要な要素として、レジリエンス(再起力)の重要性が語られることは多い。ただ、その大半が個人に焦点を当てられており、チームのレジリエンスに目が向けられることは少ない。実際には、一人で完結する仕事などほとんどないことを考えれば、チームの再起力を高めることは大切だ。筆者は、レジリエンスの高いチームに4つの共通点を見出した。
数え切れないほどの挫折や失敗を経て、ついに市場で成功した起業家。何年も臨床試験で失敗した末に、命を救う薬のための画期的な化合物をつくり出した科学者。深刻な怪我とスランプを乗り越えて、重要な大会でチームに貢献したバスケットボール選手。
そんな個人の成功を支える要因の一つに、レジリエンス(再起力)が挙げられることも多い。ただし、完全に一人で仕事をする人はほとんどいない。そして、チームで粘り強く取り組むことは、個人のレジリエンスと同じくらい重要だ。
では、チームのレジリエンスはどのように構築すればいいのだろうか。
私たちはNCAA(全米大学体育協会)のコーチ約2000人に話を聞き、レジリエンスの高いチームづくりに関する、彼らの考え方をまとめた。さらに、さまざまな業界のさまざまなチームのリーダーとメンバーを研究し、チームのレジリエンスを高める方法と、それが重要な理由を考察した。
その結果、レジリエンスの高いチームには、レジリエンスの高い個人とは異なる4つの共通点があることがわかった。