人材獲得競争が激化
ライバルはシリコンバレー
ゴールドマン・サックスは人間中心の企業であり、クライアントの課題にソリューションを見つけようと日々努力する従業員の働きに支えられている。それゆえ、非凡な人材を採用することが私たちの成功の必須要件であり、これを軽視することがあってはならない。
2008年の金融危機の後に、私たちはある問題に直面したが、実のところ、それは150年に及ぶ当社の歴史において比較的新しい問題であった。この数十年、急成長を遂げる投資銀行は、世界で最も人気のある刺激的な業界の一つであった。2桁成長と高利益により豊富なチャンスと大きな報酬を提供できたのだから、それも当然だ。しかし、金融危機により成長と利益は月並みとなり、その輝きは幾分失せてしまった。同時に、業界の内外で人材獲得競争が激化した。当社が採用候補とする者の多くは、シリコンバレーやプライベートエクイティ、スタートアップ企業を目指していた。
さらに、私たちが求める人材は、会計や金融、経済の専門家が主というわけではなくなっていた。いまやゴールドマン・サックスが大いに必要とするのは、特にプログラミングなどの新たなスキルを備えた人材であり、それは他のほとんどの企業が必要とする人材と重なっていた。追い風が向かい風に変わり、私たちは対応を迫られたのである。