男女平等が進んでいるとはいえ、組織の幹部クラスに昇進する女性の数はあまりに少ない。その一つの理由は、優秀な女性を引き上げてくれるスポンサーがいないからだ。昇進の決定権を持つ立場には男性が多く、彼らは男性部下の支援に積極的になりがちである。スポンサーになりうる幹部も、またサポートを受ける女性自身も、組織のメカニズムを理解して、戦略的に立ち振る舞う必要がある。
組織のトップに昇進する女性は、あまりに少ない。最高幹部職を狙うための条件を満たすような重要任務を与えられない、というのが大きな理由の一つだ。
これは、幹部職への登竜門的な仕事を被庇護者のために要求して与えてくれる、有力なスポンサーがいないためである場合が多い。
昇進に必要なスポンサーシップを女性に提供するとは、どういうことなのか。ほとんどの組織において、このことはきちんと理解されていない。公式のスポンサーシップ制度を中止した企業も多い。その理由として挙がるのは、よく知らない相手や、時期尚早と思える相手の昇進を後押しするよう求められていると感じる、幹部からの抵抗だ。
これは、取り組みを断念する理由にはならない。むしろアプローチを再考する好機となる。スポンサーシップとは、実行するかしないかという単純なものとはほど遠い。そうではなく一つの人間関係として、信頼と公的な関与を段階的に深めていくものなのだ。