組織の目指すゴールに対する
自発的貢献意欲

「エンゲージメント」あるいは「従業員エンゲージメント」という言葉が、従業員の状態を把握する概念として日本に展開されてから10年が経った。当社ウイリス・タワーズワトソンは、従業員エンゲージメント、およびエンゲージメント調査の草分けの役割を担ってきた。

 従業員エンゲージメントとは、企業が目指す姿や方向性を、従業員が理解・共感し、その達成に向けて自発的に貢献しようという意識を持っていることを指す。言い換えれば、組織の目指すゴールに対する「自発的貢献意欲」を意味する。その従業員エンゲージメントを高く維持する経営が、エンゲージメント経営である。

 日本でよく知られてきた従業員満足と、従業員エンゲージメントは大きく異なる。所属する組織、職場の状況、上司、自身の仕事などについて、「従業員が自身の物差し」で評価をするのが満足であるのに対して、「会社が目指す方向性や姿を物差し」として、それらについての自分自身の理解度、共感度、そして行動意欲を評価するのがエンゲージメントである。