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変化の激しい時代、現状維持という選択は生き残りすら危うい事態を招きかねない。そして自社のポジションニングを変更するには、パーパス(存在意義)を見出し、組織文化を変えることが不可欠である。では、どんな企業がそれを実現しているのか。筆者らは綿密な調査を実施して、過去10年間で最もインパクトの大きい変革を遂げた、トップ20企業のランキングを作成した。


 2012年、デンマークのエネルギー最大手企業ドング・エナジーは、天然ガス価格の90%下落という事態に直面して財務危機に陥り、S&Pによる信用格付けは「ネガティブ」に引き下げられた。同社取締役会は、レゴの元幹部だったヘンリク・ポールセンを新たなCEOに迎えた。

 リーダーによっては、ここで「危機管理モード」に入り、天然ガス価格が回復するまで従業員を一時解雇するなどの措置を講じるかもしれない。しかし、ポールセンは、このタイミングを抜本的な改革の好機と捉えた。