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女性が起業するケースは増えており、大きな成功を収めている例も少なくない。ただし、男性起業家と比較した場合、女性が率いる会社は生き残る可能性が低いことも事実である。その要因の一つは、人的ネットワークへのアクセスがより難しいからだと、筆者らは指摘する。起業の男女差別の解消は1兆ドル以上の経済効果をもたらすため、これは大きな機会損失である。本稿では、女性起業家が優れたネットワークを築くための3つの原則を示す。


 女性起業家のサポートをめぐる議論は活発に行われている。実際、必要な議論だ。女性によるスタートアップが大成功を収めている例はたくさんあるが、女性が率いる企業は男性が率いる企業よりも生き残りにくいようだ。

 ボストン コンサルティング グループ(BCG)の最近の分析によると、世界中で、男性と女性が起業家として平等な条件で経済活動に参加すれば、GDPは世界全体で3~6%上昇し、世界経済を2兆5000億ドル規模から5兆ドルまで成長させるだろう。

 では、実際にどのようにサポートすればいいのだろうか。

 よく指摘されるのは、与信枠(経済的資源)へのアクセスを改善することと、新しいスキル(人的資源)の習得を促すことだ。いずれも女性が経営する企業の成功を手助けするうえで、重要な分野である。しかし、もう一つ、見逃されがちだが重要な要因がある。ネットワークへのアクセスだ。

 私たちは世界各地の公的部門、民間部門、社会部門で働くクライアントから、そのようなネットワークが持つ重要性を直接、見聞きしてきた。そして、そのようなサポートが実際に足りないこともわかってきた。

 ネットワークへのアクセスを改善することは、あらゆる部門で起業に関する男女格差の解消につながるのだ。