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企業内でダイバーシティ施策が進めされているものの、いまだに取締役会の圧倒的多数は男性が占めている。非上場のスタートアップに目を向けると、その偏りはより顕著である。女性取締役が一人もいないというケースも珍しくない。筆者らの綿密な調査に基づき、スタートアップの現状を紹介する。


 米国企業の取締役会は、いまなお男性が圧倒的多数を占めている。世界屈指の資産マネジャーが女性を増やすよう訴え、注目を浴びたにもかかわらず、である。現在、S&P500に選出されている企業のうち女性取締役の比率はわずか26%ラッセル3000指数の構成企業でも20 %だ

 この数字を、今後も引き続き変化が必要な証拠だととらえる人もいる。いまや、トップクラスのMBAプログラムの学生の約40%企業のマネジャーの40%を女性が占め、そもそも人口の50%は女性だ。だが、多様性というプレッシャーにうんざりして、この程度で十分だと思う人もいる。

 しかし最近、情報プラットフォームのクランチベース、社会的インパクトに取り組むベンチャーのヒム・フォー・ハー、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院が共同で行った研究から、依然としてなすべきことが数多くある事実が裏づけられている。特に非上場のスタートアップ企業のデータを分析すると、それは明白だった。