
「あのとき、もっとこうやっておけばよかった……」と、過去の失敗を何度も思い出し、自分を苦しめていないだろうか。現実の自分と理想の自分のギャップばかりに目を向ける行為は、あなたを不快な気持ちにさせるだけではない。不安や抑うつと密接な関係がある。本稿では、この悪循環を断ち切る5つの方法を紹介する。
過剰な反芻や心配という悪しきパターンを断ち切る
あのとき、こうすればよかったという場面を、気がつくと頭の中で延々と再生していないだろうか。あのとき、あんな馬鹿なことを言わなければよかった。あのとき、手を挙げていれば、いま絶賛を博しているプロジェクトのメンバーになれたのに。あのとき、遠慮なく意見を言えばよかった。あのとき、見込客にきちんと対応しておけばよかった……。
こんなふうに際限なく考え続けることを「反芻(はんすう)」と呼ぶ。私たちは、いずれ起きる可能性があることを心配し、すでに起きてしまったことは反芻する。
ある出来事を反芻していると、過去の似たような場面の記憶がよみがえり、現実の自分と理想の自分のギャップに注目してしまう。だが、そうしたところで何も生まれない。1つの出来事から自分を責め始め、もっと計画性があったら、もっと野心があったら、もっと頭が回ったら、もっと自制できたら、もっとカリスマ性があったら……と嘆くだけである。
反芻は、ただ不快になるだけでは済まない。問題解決力の低下、不安、抑うつと密接なつながりがある。しかし幸いなことに、この悪しきパターンを断ち切る有効な解決策がある。しかも案外、簡単に実行できる。